明治安田生命 J3 第35節

試合後 監督・選手コメント

石丸清隆 監督

まだ昇格した実感がないのは正直なところです。戦前の予想ではここで勝って昇格を決めるのかなという考えを持っていたのですが、鹿児島さんが負けるということは想定していませんでしたので、そこはラッキーもあったかなと思います。ここまで我慢強く戦ってきたチームへのご褒美なのかなと。伊予決戦でここまでたくさんの人が来てくれて、その喜びもありますし、その後押しを受けてプレーできたことにも感謝しています。このクラブに携わってきてくれた人、愛媛FCファミリーの勝利だと思っています。
ゲームの方は、かなり緊張していたのか堅さがあって全然動きがない前半でした。少し申し訳ないゲームをしたなと。後半入るにあたってハーフタイムにケツを叩いた状況で選手を送り出したんですけど、前半よりは動きは出たと思います。相手のプレッシャーはそんなにキツくなかったと思いますけど、少し怖がってプレーしているように見えた前半でした。やればできるということをもう一度自分たちで見つめ直すことが必要なのかなと思いました。まだまだ未熟なので、残り3試合でさらに成長できるようにしっかり準備をしていきたいです。ホームでは残り1試合ありますけど、もうちょっと違った本来目指すべきチームになって帰ってきたいと思います。

−−前半は緊張感による硬さはあったが、後半は愛媛らしいプレーを披露し、昇格を決めた。
ホームなので90分間ワクワクさせたいという思いはあったので、45分は少し申し訳ないゲームになったなと。今日の試合は内容は悪くても勝てば良いというのではなくて、しっかり自分たちの力を見せるべき場所なんだと選手には話していたので、半分消化不良といった感じです。
伊予決戦という試合は過去の実績やデータはあまり当てにならないと思っていました。そういった意味では選手は最後まで足を止めずにプレーしてくれたという印象はあります。

−−優勝してもなお課題を厳しく挙げ、チームは今季を通して目の前の試合だけ見てきた。その積み重ねが優勝という結果に導いた。
若いチームなだけにプレッシャーに押し潰されそうなときは出てくるものだと思っていましたし、そうだったとしても一瞬一瞬を戦っていかなければその上はないと思っていました。目の前の試合にどれだけ100％に近い準備をすること、毎日のトレーニングにどれだけ向き合えるかを今季1年間求めてきました。みんなが逃げずによくやってくれた証拠かなと思います。でも、それはいままであって、これからもまだ成長はできると思っているので。まだ3試合残っていますし、しっかり準備をして臨みます。次の試合はアウェイですけど、観に来てくれるサポーターもいると思います。次のホームゲームでは初めて試合を観る人もいるかもしれません。そのときにもしっかりとしたプレーを見せられれば、また試合を観に来たいと思ってくれるかもしれません。1試合1試合も大事だけど、ワンプレー、ワンプレーも大事にしていければと思っています。チームは本当にまだ成長はすると思うんです。満足することなく欲を持ってやっていければと思います。

−−優勝を手にし、監督個人としての喜びの感情は？
監督として僕が何か特別なことをしてきたかと言うと、していないと思うんです。選手もスタッフも、目の前に頼りない監督がいると自分たちがやらなきゃいけないという思いでみんなが一生懸命やる。他のチームのことはよくわからないですけど、今年のチームはJ3の中でチームワークが一番良かったんじゃないかなと思うところはあります。個人の能力というよりグループで勝つんだと。グループで良いモノを作り出していこうという気持ちはJ3の中で一番高いと感じていますし、それが勝利の要因かなと思います。僕自身は何もしていないようなもの。これからしっかり勉強して選手についていけるように頑張りたいと思います。

松田力 選手

−−昇格のかかった大一番。緊張感もあったと思うが勝ち切った。
前半は僕たちも硬い時間帯もありましたし、今治が僕たちを上手く交わしてボールを保持して苦しいところもありました。ただ、徐々に自分たちの時間を取り戻して行き、後半で勝ちに持っていけたことは良かったと思います。

−−決勝点の場面は自身がロングフィードを受けてからの展開だった。
モテ（茂木）からボールが来てからのことしか覚えていないんですけど（笑）。モテからのボールはディフェンスの間に入れてくれればチャンスになるというスカウティングもありました。モテからのボールを信じてクロスを待っていたので。よいアシストのボールが来て良かったです。

−−優勝を決めるゴールはやはり黄金のホットラインからだった。
僕自身、しばらく点を取れていなかったので、この伊予決戦では絶対に点を取ってやろうと思っていました。ハーフタイムに鹿児島が負けたと聞いていたので、僕のゴールで優勝を決めてやろうと。僕が決めて優勝を決めてやるんだと。それができて良かったです。

−−ハーフタイムに鹿児島戦の結果はチームとして共有していた？
チームとしてではないです。今治の選手が鹿児島が負けたらしいよと聞いて、自分一人だけ知ってたんです。それで行けると。でも、みんなに言ったら浮き足立つと思ったので（言わなかった）。

−−若い選手が多いチームでは、こういった場に慣れていない選手も多い。そんな中、自身がチームをメンタル面でもプレー面でも引っ張った。
今日、若い選手たちはミスも多かったし、反省しなければいけないところもあると思うけど、今日勝てたのはみんなのおかげ。僕がゴールを取れたのもみんなのおかげ。今日一日は優勝の雰囲気に浸ろうかなと思います。

茂木駿佑 選手

−−長くタフなシーズンを素晴らしい形で結果にした。
サッカー人生で何度も味わえるような光景ではないので非常に嬉しいです。

−−試合立ち上がりは緊張感から硬さが目立った。
戦術云々もあると思いますけど、気持ちの面で負けないことはこの伊予決戦独特の雰囲気もありました。1万人を超えるサポーターが駆けつけ、普段経験していない声量も感じました。それは自分たちの力になりましたけど、自分たちの声が届かないところもありましたから声もガラガラになりました。こういう雰囲気でプレーできたことで成長できたという感覚もあります。

−−そんな中で奪った決勝点。それをアシストした。
（石浦）大雅が　カウンター気味の展開だったので、そういう場面では自分も前に出ていく役割もありました。（クロスは）松田選手ならゴール前に入ってきてくれると信じていましたし、それは今季を通じて結果を出しているところでもあります。そこはチームのストロングでもありますけど、上手く行ったゴールだと思っています。

−−自身としても今季10アシスト目。
ほぼほぼ松田選手の手柄ですけど、まだ残り3試合ありますし、自分がゴールを取るということもやっていきたいですし、貪欲に狙っていきたいです。

−−今季のチームの強さ、成長をどのように感じているか？
ここ最近は無失点試合も続いていて、今日の試合でも守り切れるという雰囲気もありました。後半は点を取ってからは守備の時間も増えましたけど、そこで守り切れたことはさらに自信になると思います。勝ち方は試合によって変わってくるモノなので、そこは成長できた証になると感じています。

小川大空 選手

−−難しい試合だったが勝ち切り、ついにJ3優勝を決めた。
今治相手で勝てば昇格という試合でしたが、序盤はみんな硬さがありましたし、守備に回る時間が多かったですけど、その中でも焦れることなく体を張って守り、先制点を取れました。終盤もみんなで体を張って失点ゼロに抑え、良いゲームができたと思っています。

−−緊張感から前半戦はプレーが硬くなったが、それでも無失点で乗り切った。
このようなゲームはシーズンを通してたくさん経験してきましたし、その中で多くの試合に勝つことができていました。今日も絶対に勝てるとチームのみんなが信じていました。最近はみんなが体を張って守ることもできていましたので、守備面に関しては心配なくやれていました。

−−ここまで大きな課題とされていた守備面も尻上がりに改善。バランスの良いチームになった。
点も取れて、守備もできるチームが本当に強いチームだと思います。残り3試合でもその姿を見せたいです。

−−キャプテンの一人として苦しさを感じていたからこそ、優勝の瞬間は喜びもひとしおだったのでは？
今年一年はしんどいことも多かったですけど、絶対にこのチームで優勝、昇格したいと思っていたので素直に嬉しいです。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、自分の中にのしかかっていた重圧がなくなったような気がしました。いろいろしんどかったことを思い出し、やっと目標を達成できた喜びがこみ上げてきました。

−−プロ2年目ながらキャプテンの一人としてチームの優勝に貢献したことは誇りに思えること。
良い経験をさせてもらいましたし、この1年間は試合に出させてもらう中、プレー面でもプレー以外の面でも本当にたくさん成長させてもらいました。本当にそこは感謝しかないです。

−−シャーレを掲げた瞬間はどんな気持ちだった？
本当に嬉しい気持ちが前面に出て、もう最高って感じでした。

−−ただ、まだ今季は3試合残っている。個人としてもチームとしても、さらに成長するための3試合になる。
J3優勝は僕たちが元にいた場所に戻るための通過点でしかないので、J2に戻って良い結果を残せるようにするための大事な3試合だと思っています。良い結果を残してシーズンを終えられるようにしたいです。

森脇良太 選手

−−自身、今季はピッチ内外で貢献したシーズンとなった。
僕自身、今季を振り返ったときにケガが少なく過ごせたことが大きかったと思います。20数試合、ゲームにも絡まさせてもらい、ここ数年の中では一番良いコンディションを保つことができました。それは僕にとってとても大きな出来事。チームに貢献できたことはすごくハッピーなこと。やはりピッチの上で愛媛に貢献したいと思いましたし、自分の役割はたくさんあると思っていました。みんなで頑張ってきましたけど、その中の一人として僕もチームに多少は貢献できたことはハッピーな出来事だと思います。

−−コンディションが良いから若手組とも激しい競争ができ、相乗効果でお互いが切磋琢磨していった。
僕は開幕戦で出られず悔しい思いをして、第2節から出させてもらいましたけど、開幕戦の重苦しい雰囲気を全部取っ払いたいと思い、常にポジティブなエネルギーを注いでいきたいと思っていました。試合に出ることができましたけど、僕が試合に出ていたら若い選手たちは悔しい思いをしていただろうし、僕も試合に出られなければ悔しい思いを抱えます。チームとして切磋琢磨して良い競争ができたことで良い成果が生まれたんじゃないかなと思います。

−−タイムアップの瞬間、どのような感情がこみ上げてきた？
言葉では言い表せないような気持ち。僕自身、行くチームがない中で声をかけてもらい、プレーさせてもらう機会を与えてもらいました。15年ぶりに愛媛に帰ってきて、このチームを少しでも押し上げたい思いを抱えていました。素晴らしいチーム、素晴らしい選手とともに何かを勝ち取らないと、それを証明していくことができません。そんないろんな思いからさまざまな感情が爆発していましたし、心の底から嬉しかったです。

−−ありとあらゆるJリーグクラブとしてのタイトルを獲ってきた中でも特別な感情は変わらない？
いつもタイトルを獲らさせてもらって、そこに僕はポツンといただけであった。この愛媛でタイトルを取ることは僕の中ではもう特別だったので。今日のシャーレは世界中のどのシャーレより輝いていると思っています。その一番輝くシャーレを掲げることができ、こんなに嬉しいことはないです。間違いなく今日が特別な瞬間であったことは間違いないです。