明治安田生命 J3 第17節

試合後 監督・選手コメント

石丸清隆 監督

本当にしんどいゲームだなというのが率直な感想です。だけど最終的には逆転できたので、そこはホッとしています。ホームなので、もっと観ている人たちが納得感の得られるゲームをしなきゃいけないし、そこはチームで共有していかなければいけない部分かなと思っています。ただ、いままでにあまりなかったリバウンドメンタリティというのが発揮できたことは、選手たちが少しずつ逞しくなってきている証拠なのかなと思います。
実際、相手がすごく何かをやってきたかというより、自分たちがビルドアップのところでバランスがかなり悪く、そこで右サイドの背後に単純にボールを運ばれ、それに対してシンプルにクロスを上げられた中での2失点だったので、そこのバランスを少しだけ変えて挑んだ結果、上手くゴールが奪えました。早々に取れたことも大きかったと思います。（疋田）優人自身もかなりミドルシュートは狙っているし、練習でもかなり打っているので。でも、試合で打たないなら練習でも打たなくて良いって冗談で言っていたんですけど、これからは練習でシュートを打つのを許すと本人にもさっき伝えました。今後、そういう部分がもっと引き出てくればチームとしての幅も増えるし、彼自身もやりがいが出てくると思っています。
深堀は今季初先発でコンディション的にも少し難しいところはあったかもしれないですけど、80分くらいまでしっかり走り切ってくれた印象がある。（松田）力が出場停止という部分があり、FWが彼しかいない状況でしたが、彼が機能すれば勝てるかなという部分はあったし、そこが上手くハマって良かったと思います。
ただ、こういうスリリングなゲームは正直あまりしたくない。ただ、どんな状況であれホームなので、最終的に勝たなきゃいけないと常日頃から伝えていますし、選手たちはそれを最後まで体現してくれたと思います。

−−ライン側で特徴を出せる深堀選手の起用が上手くハマった。その狙いは？
タイプ的に力とかベン（ダンカン）とは違い、ラインをブレイクする背後への動きを常に狙っている選手。そこを引き出したいという狙いがありました。相手は守備が堅いというイメージよりも、ラインが綺麗に揃っていないイメージだったので、本人的にはいろいろやるというより、ラインブレイクのところを役割として求めていました。あとはライン間でボールをもらう選手として匠をトップ下に置き、そこの役割をはっきりさせた中で起用しました。
隼平のようなタイプがいままでいなかったけど、ボールホルダーの選手がそこをもっと狙っていたらもっと背後を取れた試合はたくさんありました。彼が出るときのスピード感やタイミングはもうちょっと合わせていければ、彼の良さはもっと出るかなと思っています。

−−深堀選手はクラブとしてリーグ戦初のハットトリック達成者となった。
みたいですね。あまり点を取ってないということですよね（笑）。一人が点を取ることが大事なことではないけど、チャンスがあればどんどん足を振ってもらいたい。（疋田）優人もああいうところからどんどん足を振っていける選手をどんどん作っていかなきゃいけない。サッカーは点を取るゲームなので、そこらへんも貪欲にやっていきたい。

深堀隼平 選手

−−ベストなコンディションではない中、今季初先発の抜擢に見事結果で応えた。
復帰してから途中出場で機会をもらいながらも、前節は決定機を一つ外していたところがあったので、そこが自分の中で悔しさがあったというか、不甲斐ない感じがあって後悔がありました。そこを取り返さなきゃFWじゃないと思っていましたし、今日は絶対やってやるという気持ちでいました。

−−前半からライン側でしっかり駆け引きをしていた。
全体として上手く行っていない感じはありましたけど、佐々木選手が間で受けたら行けるなとか感じるところはありましたし、茂木選手からのクロスは当たり損ないみたいになってしまいましたけど、今日はニアに来るなという良い感覚はありました。そこはハーフタイムにもそこを狙って欲しいと話していました。練習からのやっている形なので、そこで山口選手がクロスをくれたので、触るだけでした。

−−自身2点目の場面は自らが得たPKを決めた。最初からPKを蹴るつもりだった？
松田選手もベン選手もいなかったですし、2人がいたら話し合いになっていたかもしれないですけど、今日はFWは自分一人でしたし、誰がPKを取っても自分が蹴るつもりでいました。結果、自分がPKを取れたので、練習通り蹴れましたし、決める自信もありました。

−−リードしてからも、もう1点を取りに行く姿勢がハットトリックにつながった。
2点目取ったあとの感覚は相手も『うわぁ』って感じがあったので、もう一回チャンスが来るという感覚というか、得点の匂いは感じていました。そうしたら、ここにくれというボールをまさに曽根田選手がくれました。ファーストタッチも狙ったところに置けましたし、いろんな選択肢を考える余裕もありました。左で打とうか、右のインで股下を狙おうか、アウトで流し込もうか。ループでもいいなとか、余裕を持ちながらシュートを打てました。

−−自身初でもあり、クラブとしてのリーグ戦初のハットトリック達成者となった。
クラブ史上初というのは知らなかったんですけど、すごく名誉なことですし、これからは名前が残ると思うので、ここで終わってしまったら『深堀、そういやハットトリックしてたな』ってなってしまう。それはFWとしては悔しいですし、ここで終わらず、これを始まりにしたいと思います。ここからゴールを量産して、『あの年の深堀もすごかったね』と振り返ってもらえる活躍をすることがFWとしての役割だと思っています。だから今日は喜んで、明日からは切り替えて練習からゴールにこだわってやっていきたいです。

疋田優人 選手

−−前半、チームの右サイドから攻め込まれるシーンが増えた中での投入となった。
前半は右サイドが高い位置を取って、そこが上がったところを狙われていたので、後半は自分が入って監督からは後ろ3枚気味でビルドアップをやるように言われましたし、そこで相手の攻撃を潰すことができました。自分の強みとしてはミドルシュートがあるので、そこはずっと狙っていますし、この試合でも出して行こうと思っていました。そこで最初に良いチャンスが来て、足を振ることができて得点することができて良かったです。

−−矢田選手から優しいパスでシュートを打つタイミングも取りやすかった？
大体左にボールがあるときはあの場所が空いている状態なので、クロスのこぼれ球を拾うとかも意識していますし、あそこにボールが来れば自分は足を振れる自信があります。ダイレクトでもトラップでも打つことを考えていましたし、（矢田）旭君がターンしたときに呼んだらボールをくれたので、あとは足を振るだけでした。

−−個人としても良いアピールができたのでは？
チャンスがあれば足を振るということはいつも決めてやっていることなので、今日のゴールでまた自信がついたのでもっと振れるようになると思っています。そこはすごく良いことだと感じています。

−−得点を奪った時間帯も良かった。
負けている状況だったし、後半の頭から行くぞという気持ちでもいました。本当に良いタイミングでゴールできて良かったです。